あのころの風景

2019年12月02日

夜から朝のあいだに降るしずかな雨が

いつのまにか入り口にきていた春を教えてくれる。

こんな日には、何年たっても 

やっぱり思い出す。

過ぎ去ったときの ひとコマひとコマ

わたしの記憶のなかを たえまなく埋めつくした

かけがえのない時のひとつひとつ

「じゃ、行ってくる」って 彼が独りで暮らすことになった東京

笑顔で向かった4年前

私がいないと生きていけないとばかりに

いつも ふりかえればそこにいた

そんなころのことばかり思い出して さみしかった春

自分の力で生きていけるようになった彼を

今度は、大都会がカイヤ(腕)をひろげ

迎えてくれようとしている


こんなふうに

時は流れていくけれども・・・・

やはりときおり立ち止まり

立ちかえり

あの遠い日の たくさんの季節は

いつまでもわたしの中から

きえることはないのでしょう。

あたたかな雨のふる3月

23年間のわたしの ささやかな・・・